日本酒の克服法と割らない方がよい事情

日本酒が呑めるようになりたい!氷はご法度?割るのもダメ?

「教授、日本酒がお好きなんだ…」

大学の3回生になり、卒業論文のゼミも始まったマイコさん。4年生の先輩方とも親睦を深めるため、所謂「ゼミ飲み」が行われることになりました。この機会に出来るだけ教授と仲良くなりたい、と意気込むマイコさんですが、噂によれば教授は日本酒党で、飲める生徒の方が気に入られやすいとのこと。しかし勿論マイコさんは、日本酒なんて飲めません。せめて薦められた分だけでも…と色々な方法を考えてみますが、なかなか飲み会で使えそうな解決策は浮かばず…。

「ほら、色々と試してみろ」

ゼミの先輩で、教授と同じく日本酒に詳しいらしいT先輩に助けを求めると、先輩は様々な銘柄の日本酒とジュースを眼の前に並べました。家で飲むなら氷を入れても、ジュースを混ぜてもいい。でも教授の前ではそんなことをしたら本末転倒だから絶対にするな、と言われ、ちょっとしょんぼりしてしまいます。先輩の話によれば日本酒は本来割って飲むものではないそうで、ただ銘柄によって飲みやすさがまるで違うので、自分好みを見つけるのが手っ取り早いのだそうです。比較的「甘口」と書かれたものの方が飲みやすいとも。

「あと、冷酒か熱燗かでも全然違う。家でどっちが好みかやってみるといい」とも言われました。冷たい方が喉越しがよさそうですが、人によっては熱い方が気持ち悪くならない、という場合もあるのだとか。どうしても無理そうならこっそりチェイサーをもらって混ぜろとも助言されましたが、出来れば克服したいもの。家に帰ってお父さんの集めた日本酒たちを並べ、少しずつ飲んでみたところ「純米吟醸」と書かれたとある銘柄の甘口ならお酒っぽい味が薄く、冷酒でするっと流し込めました。お父さんに尋ねると結構ポピュラーで、普通の居酒屋にもあると思うよ、と言われ一安心。今度の飲み会ではこれを頼んでみようと心に決めました。

結果が出たところで先輩に報告すると、喜んで激励されたのと同時に「まあ好きなように飲むのが一番うまいから、今度はジュースででも割ってみろ」と言われ、試しに緑茶を入れてみると何と、美味しいけれどお茶の味しかしません。多分ジュースを入れても同じことでしょう。日本酒は割らないもの、という意味が何となく理解できましたね。